使える型(形)と移動にするために

空手のイノベーション

空手のイノベーション
空手のイノベーション

使える型と移動にするために・空手のイノベーション
「型は実戦では使えない」少し前までは良く聞く話でしたし、自分もそう思っていました。
しかし稽古の過程で「型は書道と同じ」と気がつきました。
※気が付いたのは太気拳の稽古からです。
基本(号令に合わせて大きく動く)=楷書(一線一線を丁寧に書く)であり、

そういった意味では現在の空手は、基本、移動、型は、ほぼ「楷書」で行われているということになります。

楷書=現代空手の伝統的な稽古全般
行書=技の形は同じだが、小さく丸く動き技と技を一挙動(一筆書き)にして繋げる。
草書=行書よりさらに小さく、崩したり、速めたり、自由度が高く形の変化もある。

実際、書道での行書と草書の違いは、

行書は崩し方が独特ではなく、崩し方や省略の仕方にも一定の決まりがある。
そのため草書と違って読み取りやすく、現在書道でも楷書と並んで習う人が多い書体
となります。

極真では黄帯くらいから稽古する。騎馬立ちの移動を例に取りましょう。

騎馬立ちで、①けん制⇒②肘打ち⇒③裏拳(引き手は水月)⇒④下段払い⇒⑤逆突き
という一連の動きになります。
稽古では一挙動で上記の動作①~⑤を行っても、一つ一つの動きを呼吸に合わせ大きく行うために
実際に使えるレベルにはなりません。
ではどうすれば使えるレベルになるのか?
行書では
形はそのままで、少し小さく丸く動く。
少なくても①②は一呼吸+一筆書きで、けん制ではなく、掴むと同時に肘打ち
掴んだ髪又は首を水月方向に引き付けつつ、カウンターで裏拳
掴みかかって来た腕を、下段払いで外しながら(外してからではない)
または金的を打ちながら、逆突きで仕留める。
一筆書きにするだけでもかなり違います。

楷書での騎馬立ちは、鍛錬のためでしょうから立ち方は自由
となります。
次に草書
よりスピードを速め、小さくすることを求められます。
※小さく動かなければ速くならない。

また小さく一筆書きで動くことで、ゆっくりと動いても体感スピードは速くなります。
少なくても①~③は一呼吸で、なおかつ一筆書き。より小さくして技を繋げます。
引き手も水月まで引く必要はなく、大きく崩してカウンターでも、小さく崩すのも自由
④⑤も同様ですが、
①~⑤をより小さく、より丸く、より早く。一呼吸で一筆書きで繋げていきます。
立ち方、状況に合わせ、大きい相手にはジャンプしても良い。
※先代芦原館長のように飛んで肘打ち。あのシーン解りますか?カッコいいですよね。
自分の置かれた状況に合わせて、膝立ちでも座っていても何でも良いのです。

楷書では、大きく伸び伸びと、正確に技を作り、行書、草書へと作り替えていく
そういう作業をすると、型も移動もとても使えるようになります。

以上、簡単な説明でしたが、文章では解りにくいと思いますので、今度は動画も撮影してみたいと思います。

ちなみに、楷書を崩して草書が出来たと言うのは間違いで、
歴史的には、篆書、隷書を速く書く過程で、草書が生まれ、最後に出来たのが楷書のようです。
空手も型・形を分解して基本が出来ました。
それ以前の歴史は解りませんが、実戦に近い草書のような型が
徐々に行書から楷書となってきたのだろうか等、
空手が形作られていく歴史(改悪も含め)が想像できて
これもまた楽しからずや。です。